ステアタイトは滑石を主原料とする磁器で一名滑石磁器と呼ばれ、1890年頃ドイツに於いて最初低周波用及び高圧絶縁物として使用されていましたが、1920年頃より高周波技術用として広く利用される様になって参りました。滑石は硬度が軟らかく(モース硬度1)石けんの様な滑らかさを持った鉱石で中国より優秀な鉱石が盛んに産出されております。滑石の化学式は略 3Mgo・4SiO
2
H
2
O で表され、これを高温度に熱すると次式の様に水分を放出してプロトエンスタタイトとクリストパライトに熱分解放します。3Mgo・4SiO
2
・H
2
O→ 3Mgo・SiO
2
+H
2
O+SiO
2
このクリストパこのプロトエンスタタイトと言うのが( Mgo・SiO
2
)ステアタイトの本体です。
上式の遊離クリストパライトは( SiO
2
)適当に添加されるアルカリ土類金属酸化物、アルミナ、粘土等によって安定な結晶質及びガラス質を作ってステアタイトを安定な磁器と致します。ステアタイトの特徴は普通の磁器と比べて次の様な特性を持っております。
左記の様な点から高周波の各種碍子、
例えばブッシング・線輪巻枠・畜電器碍子
・端子台・畜電器軸・空中碍子などおよそ高周波かかるところなら何処に用いても
他の磁器類その他の絶縁物の及ばない
性能を発揮いたします。
ステアタイトの等級は6ヶの試験片の平均損失係数をもって定められています。損失係数は試料を48時間蒸留水に浸漬し取り出してから 4分以内に1MCの周波数で測定した誘電体損失(tanδ)に誘電率(ε)を乗じた値で示されます。この損失係数で右記の等級に分けられます。
※弊社製品は通常L−6となります。
等級
L−4
L−5
L−6
損失
係数
0.016
以下
0.008
以下
0.004
以下
項目
単位
L−5
L−6
備 考
物理的性能
見掛比重
g
/cm³
2.37
2.75
Rt24℃ RH40%
真比重
g
/cm³
2.8
2.8
吸水率
g%
0〜0.05
0〜0.05
Wt:23℃ :24℃
機械熱的性能
抗折力
Kg/cm²
1050
1216
線膨張係数
+20〜400℃
10^-6
8.5
8.2
耐火度
℃
1200
1250
モース硬度
7.5
7.5
耐熱冷性
℃
120
120
冷水との比較温度差
を示す
電気的性能
絶縁破壊電圧
KV/mm
10
15
Oilt:19℃ 50
誘電率
≈6
≈6
1MC/S
損失係数
0.0052
0.0036
1MC/S
力率
10^-4
8.6
6
1MC/S
体積固有抵抗
Ωcm
1013
1013
高温絶縁抵抗
MΩ
1000
1500
↑このページのTOPに戻る↑